TOPページ  Doctorニュース  感染症との戦いが生んだリスク ― 自己免疫疾患の意外な起源


投稿日:2025年04月30日


自己免疫疾患は、なぜ現代にこれほど増えているのでしょうか。

このたび私が参加した日本リウマチ学会で、橋本求先生(大阪公立大学 膠原病内科学教授・本年学会賞受賞)の講演『リウマチ専門医のための臨床免疫学夜話』を聴講しました。免疫の成り立ちを人類史と重ね合わせる、たいへん壮大で興味深い内容でした。

橋本先生は、マラリアやペストといった過去の感染症への抵抗性を得る過程で、自己免疫疾患リスク遺伝子が自然選択されてきた可能性を示されました。たとえば、SLEに関与する遺伝子が、感染症耐性の代償として選択されてきた背景を具体的に説明されました。また、現代の清潔な環境が幼少期の感染機会を減少させ、免疫制御の未熟化を招いて自己免疫疾患の増加につながっている「衛生仮説」にも触れられました。

さらに、腸内細菌叢の多様性が低下すると免疫バランスが崩れやすくなり、自己免疫疾患の発症リスクが高まることも紹介されました。橋本先生のご講演は、専門家にも一般にも理解しやすくまとめられており、免疫学と人類の歴史とのつながりを深く感じさせる内容でした。今回の内容は著書『遺伝子が語る免疫夜話』(晶文社)にも詳しく記されていますので、関心のある方にはぜひ一読をおすすめいたします。

 

中島 昭勝

 







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