TOPページ Doctorニュース 関節リウマチ発症は予防できるか?—最新研究と一般向け解説
投稿日:2025年09月12日
関節リウマチ(RA)は、免疫の異常によって関節が腫れ、痛み、やがて破壊に至る病気です。近年の研究では、「ある日突然起こる病気」ではなく、数年にわたる体内の変化を経て発症に至ることがわかってきました。
2025年4月に開催された日本リウマチ学会では、「関節リウマチ発症は予防可能か?〜プレクリニカルRAおよびその治療介入について〜」という演題で、長崎大学の岩本直樹先生による教育講演が行われ、最新の研究成果が紹介されました。
講演では、RA発症前の「プレクリニカルRA」と呼ばれる段階が注目されました。この段階では、遺伝的な要因や喫煙・歯周病・腸内細菌といった環境因子の影響を受けて、体内に抗CCP抗体などの自己抗体が出現し始めます。症状がなくても、関節リウマチに進む可能性がある「リスクの高い状態」として捉えられています。
画像診断の進歩も大きな成果をもたらしています。MRIでは、関節の滑膜や腱の炎症がまだ痛みとして現れる前から確認できることが分かってきました。さらに、高解像度CT(HR-pQCT)によって、関節周囲の骨の密度や構造の変化が詳細に観察できるようになり、RAの発症を予測する指標として期待されています。
また、プレクリニカル段階での薬剤介入に関する臨床研究も紹介されました。とくに、免疫に働きかける「アバタセプト」という薬は、RAの発症を半年から1年程度遅らせる可能性があることが示されています。ただし、誰にでも投与できるわけではなく、効果が見込まれるリスクの高い方を見極める診断技術の整備が今後の課題です。
一方、薬に頼らず生活の中でできる予防も注目されています。青魚に多く含まれるEPAやDHAといったオメガ3脂肪酸、あるいはビタミンDの摂取が、リウマチの発症リスクを下げる可能性があるとする研究も発表されました。これらは副作用が少なく、日常の食生活の中で取り入れやすい方法です。
RAは、発症する前の段階で正しくリスクを把握し、必要に応じて早期介入することで、将来の関節障害を防ぐことができる可能性が高まってきました。朝のこわばりや関節の違和感が続く場合、ご家族にRAの方がいらっしゃる場合などは、早めの相談が大切です。これからも最新の知見をもとに、皆さまの健康を支える診療を続けてまいります。
中島 昭勝


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