TOPページ  看護部  「インフルエンザアウトブレイクにおける透析患者との関係性について」発表してきました!


投稿日:2026年07月10日


令和8年6月19~21日に神戸で開催された「第71回日本透析医学会学術集会・総会」にて、昨年11月に当院で発生した、インフルエンザアウトブレイクにおける透析患者との関係性について口頭発表の機会を頂きました。

インフルエンザの院内伝播には、医療者によるケア行為、特に口鼻に近接する処置の関与が指摘されています。今回、透析患者受け入れ病棟で発生した小規模アウトブレイクにおいて、個々のケア行為と発症リスクの定量的な関連を検証したので報告しました。

▷ 吸痰と感染伝播については、

吸痰は、気道刺激による咳嗽反射、分泌物飛散、エアロゾル発生を伴う処置であり,感染拡大の媒介となり得る医療行為。吸痰に焦点を当て、ロジスティック解析で小標本状況下でも、一定の評価が可能でした。

▷ アウトブレイクにおける意義については、

本研究は、同一病棟、同一期間、高い接触密度という条件下で行われており,院内伝播の実態を反映している可能性が高いと考えられました。

▷ 統計学的解釈では、

症例数が少ない、信頼区間が広い、因果関係の確定は困難の限界がありました。しかしながら,吸痰は重要な関連因子となる可能性が示唆されました。 また、透析患者に関わらず吸痰を要する濃厚ケアが、発症リスクと強く関連する傾向は維持されました。

▷ 臨床的示唆は、

実務的には呼吸器感染症を罹患し、吸痰を要する患者をハイリスク群として認識し、吸痰手技の標準化、PPEの適切使用、換気の確保、手指衛生の徹底が重要と考えられます。

透析患者受け入れ病棟で発生した小規模インフルエンザアウトブレイクにおいて、飛沫が拡散する吸痰処置は、発症リスク増加と関連する可能性が示唆されました。

透析患者とインフルエンザアウトブレイクとの因果関係は確認できませんでした。

 

本研究において中島先生には、データ解析に貴重なるご協力を頂きましたこと、心から感謝申し上げます。先生のご協力があったからこそ、信頼性の高い結果を得ることができました。

ありがとうございました。

 

感染管理認定看護師  澤野 博美







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