TOPページ Doctorニュース 透析患者さんで見逃してはいけない菌血症 ― 『ただの皮膚の菌』が原因となることも」
投稿日:2026年07月27日
透析患者さんで見逃してはいけない菌血症 ― 『ただの皮膚の菌』が原因となることも」


2026年6月に開催された日本透析医学会で、透析患者さんに発症した「表皮ブドウ球菌による菌血症」について発表しました。
表皮ブドウ球菌は皮膚に存在する常在菌であり、血液培養で検出されても「採血時に混入しただけ」と判断されることが少なくありません。しかし、透析患者さんや免疫力が低下している方、ペースメーカーなどの医療機器が体内にある方では、実際に感染症を引き起こすことがあります。
今回の症例では、発熱や炎症反応は比較的軽度でしたが、血液培養を繰り返し行った結果、同じ菌が検出され、真の菌血症と診断しました。適切な抗菌薬治療を行ったところ、症状は改善し、血液培養も陰性となりました。
今回の発表で最も伝えたかったことは、「表皮ブドウ球菌だから大丈夫」と安易に判断してはいけないということです。血液培養の結果だけではなく、患者さんの症状や基礎疾患、治療内容などを総合的に評価することが、正しい診断につながります。
透析患者さんでは感染症が重症化しやすい一方で、症状や検査値が典型的でないこともあります。今後も、このような臨床経験を通じて得られた知見を学会で発信し、日々の診療に役立てていきたいと考えています。
中島 昭勝

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