TOPページ  Doctorニュース  関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)の再評価と適正使用


投稿日:2025年05月14日


関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)の再評価と適正使用

—「MTXのbest use 〜MTX使用と診療の手引きを踏まえて〜」より—

 

先日の日本リウマチ学会にて、東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野・亀田秀人教授による講演「MTXのbest use 〜MTX使用と診療の手引きを踏まえて〜」を拝聴しました。本講演は、2023年に改訂された『関節リウマチにおけるMTX使用と診療の手引き』に準拠した内容で、現在もメトトレキサート(MTX)が関節リウマチ(RA)治療の中心的な薬剤であることを、改めて確認する機会となりました。

MTXは1980年代から用いられている薬剤ですが、今なお第一選択薬として推奨されています。その理由は、有効性・安全性・費用対効果という三要素において、非常に優れたバランスを持っているためです。高額なバイオ製剤やJAK阻害剤の選択肢が増えてもなお、MTXの意義は揺らぎません。

今回の講演では、2023年の改訂ガイドラインに基づき、以下のような実践的なポイントが紹介されました。まず、皮下注射製剤の導入です。これは、内服での消化器症状や肝障害のリスクを軽減でき、治療の継続性向上に貢献します。また、葉酸製剤の全例併用が原則化されたことも、実臨床での副作用低減に大きく寄与する内容でした。

講演後の質疑応答では、フロア(参加者)からの実臨床に即したコメントがいくつかありました。中でも印象的だったのは、高齢患者におけるMTX使用のリスク管理についての指摘です。「認知症を有する高齢者では、定められた服薬スケジュールの遵守が難しいことが多く、服薬アドヒアランスに配慮が必要である」という意見に加え、「サルコペニアにより見かけ上の腎機能(クレアチニン)が保たれていても、実際には腎機能が低下している可能性がある」という重要な指摘もなされました。これは、私自身も以前のブログで取り上げたテーマであり、シスタチンCや筋肉量の評価も含めた包括的な腎機能評価の必要性を再認識しました。

加えて、MTX関連リンパ増殖性疾患(LPD)に関するリスクも議論されました。免疫抑制によって発症する可能性のあるこの合併症に対しては、定期的なモニタリングや症状出現時の迅速な対応が求められるとの意見がありました。

患者さん向けの啓発資料として、日本リウマチ学会から発行されている『メトトレキサートを使用する患者さんへ 第4版』という小冊子があります。これは、MTXの基本的な作用、副作用、注意点などをわかりやすくまとめたもので、初めてMTXを使用される方にも有用な内容です。同タイトルをインターネットで検索することで、PDF版を無償で入手することが可能ですので、患者指導の一環としても活用が推奨されます。

MTXは「古くて新しい薬」であり、使用法・投与量・患者背景に応じた最適化が必要です。今後も、ガイドラインを踏まえた個別化医療の実践を通じて、より安全で効果的なRA治療を提供していきたいと感じました。

 

中島 昭勝







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